93 / 128

8-5

「いっっ……!!」 「先輩っ?!どうしたの?どこか痛いの?」 目を開けると、心配そうに俺を見つめる城崎の顔。 あれ?俺今…… 「お尻…」 「お尻が痛いんですか?!何でだろ…?昨日はいつもより優しくしたつもりだったんですけど…。」 「痛く…ない……」 「???」 お尻裂けたかと思った。 自分でお尻を触ってみたが、痛みはなかったし、裂けている感じもない。 喉も…、違和感ない…。 やっぱり夢だったんだ……。 「うぅ…。もうやだ…。」 「どうしたんですか?怖い夢見た?起きたら先輩が隣で寝ながら涙こぼしてたから、俺びっくりしちゃって…。」 「城崎は一人でいい…。」 「え??」 城崎二人、悪いことだけじゃなかった。 いっぱいキスしてもらえるし、城崎二人に挟まれて抱きしめられるのはすごく幸せだったし。 でも… 「城崎二人分のちんこは上も下も無理…!」 「え??」 「入んない…っ」 「何?どういうことですか?」 混乱している城崎に夢の話をする。 城崎は俺の話を聞いて、困ったように笑った。 「3Pのこと、頭が覚えてて夢に見ちゃったんですね。」 「ん…。」 「苦しい思いさせてごめんなさい。俺のを二本は、さすがにしんどいですよね。」 「城崎は悪くない…。」 「でも先輩のこと泣かせちゃったの、夢の中の俺ってことでしょ?先輩の夢の中の俺に、恋人失格だって怒らなきゃですね。」 あやすように優しく話しかけられ、俺はそんな城崎の優しさに甘えた。 城崎の腕の中は温かい。 「先輩のことは、俺一人で満足させてあげますから。」 「うん。一人で十分…。」 「てか、物理的に俺のを二本は無理ですよ。ただでさえ小さい穴なのに。ね?先輩。」 「………ん。」 話していると、寝不足なのか少し瞼が重くなってきた。 ウトウトしている俺を、城崎は起こさないように優しく頭や背中を撫でた。 「おやすみ、先輩。」 「ん…」 「次はもっと平和な夢見てくださいね?」 優しい朝の光がカーテン越しに差す中、俺は城崎の腕の中で気持ち良く二度寝した。 fin.

ともだちにシェアしよう!