100 / 128

SS7-3

「てか、お前の前で踊ったことねぇだろ!なんで知ってんだよ?!」 そうだ。 俺は城崎の前で踊ったことはないはず。 つまり、これはただのハッタリ…?! 「先輩が一年目の時、忘年会で踊ったでしょ?」 「あ、あれは上から言われてどうしようもなくて…!じゃなくて、なんでそれを城崎が知ってるんだよ?!」 「俺も一年目の忘年会で余興やれって言われたんですよ。その時、見本見せてくださいってお願いしたら、先輩の一年目の時のダンスの動画、見せてもらって。」 「はぁっ?!!」 たしかに踊った。 嫌だったけど、部長とかに言われたら断れるわけなくて渋々踊った。 爆笑されて二度と人前で踊らないって、あのときに思った。 これが所謂パワハラだ…、俺はこうはならないと誓った。 なのに、あろうことか本人の許可なく、後輩に黒歴史を見せるなんて…!! 「こんな会社やだ…!」 「もうめちゃくちゃ可愛くて。俺勃ちそうになっちゃいましたもん。」 「どんな性癖だよ?!」 「まぁまぁ。次は先輩の番ですよ。"た"です。」 もうマジで恥ずかしすぎて目を逸らしたい。 でも負けたくない…。 「た……た……、"体力バカ"……?」 「へぇ?ふーん?先輩ってば、俺の体力バカなところが好きなんだ?」 「……お、思い付かなかっただけだからっ!」 思い付いたものを言ったけど、自分が相当恥ずかしいことを言ったのを言葉にされて、恥ずかしすぎて言い訳した。 このゲームもうやだ…。 城崎ニヤニヤしてるし、なんでこいつはこんな余裕なんだよ…? 「"可愛い“ところ♡先輩は顔ももちろんですけど、天邪鬼なのに甘えたなところとか、もうぜーんぶ可愛い。言葉にできないくらい可愛い。今みたいに恥ずかしいけど負けず嫌いだから目を逸らせないところも可愛い。」 「何で俺の思ってること分かってんの?!」 「先輩が好きすぎて、心が読めるようになっちゃいました♡」 「ま、マジ……?」 じゃあ城崎のこと、引かれるくらい好きなこともバレるんじゃ…。 目が泳ぎそうになって、必死に心を落ち着かせる。 泳いだら負け。逸らしたら負け。 「パニクるとIQ下がって、こんな分かりやすい嘘にも簡単に引っかかっちゃうところも可愛い。」 「?!!」 嘘かよ!! 怒りを込めて背中に回した手で背中を叩くと、城崎は「痛い痛い」と困った顔をした。 もう本当にやだ…。 このゲーム始まってから、恥ずかしい思いばっかしてねぇか?俺……。 「先ぱーい。"い"ですよ?」 「またかよ…。」 さっき頑張って"いい身体"って捻り出したのに…。 城崎の好きなところなんていっぱいあるのに、しりとり難しすぎる。

ともだちにシェアしよう!