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SS7-4
「"意地悪"なとこ……」
頑張って絞り出した結果がこれだった。
恥ずかしすぎて、自分でもびっくりするくらい小声だった。
なのに、もちろんこいつはばっちり聞いていたらしい。
ニマニマしながら、わざとらしく俺に尋ねる。
「意地悪なところが好きなんだ?」
「……っ///」
「先輩可愛すぎるんだけど。」
穴があったら入りたい。
目を逸らせないルール作ったやつ、マジで許さない。
いや、これ追加ルールだから作ったの城崎じゃねぇか。
まぁでも、もう終わるだろ。
"る"なんて、そもそも言葉がねぇもん。
「"ルックスが最強"」
「何だそれ?!」
「まぁそもそも全部俺好みですけど。でも一般的にみても、顔かわかっこいいし、身長もそこそこあって、体型とかも。見た目最強。それも好きです。」
「………」
返されると思わなくて言葉に詰まる。
でも"う"は楽勝だ!!
「"歌がうまい"!」
余裕♪
城崎めちゃくちゃ歌上手くて、初めてカラオケ行った時ビビったもんな。
こいつ前世が歌手なのか?って思ったもん。
"い"は俺がめちゃくちゃ苦戦したし、城崎も難しいだろ。
やっと勝ちか?
「"意地悪が好き"なところが好きです♡」
「狡いな?!」
「さっき初めて知って、もうそんなの、好き!!ってなっちゃうに決まってるじゃないですか♡」
「だ、だって…」
「俺が意地悪してるの、本気で嫌がってるようには見えなかったけど、好きなところって言ってくれるなんて♡」
「〜〜〜!!!"キスがうまい"とこ!!」
どうにでもなれ。
もう十分恥ずかしいことばっか言わされたから、キスがうまいなんて当たり前のこと言うの、屁でもねぇわ。
こうなったら"い"で攻めまくって、降参させてやる!!
「"色仕掛けが得意"なところ♡」
「してねぇよ!!!したことねぇよ?!」
「毎日色仕掛けされてます〜♡無自覚なんですか?」
色仕掛けって誘惑みたいなことだろ?!
してない!絶対してない!!
無自覚とかじゃなくてしてない!!
城崎が勝手に誘惑されてるだけじゃねぇか!
もういいや。城崎に何言っても丸め込まれるか、俺がもっと恥ずかしい思いするだけだもん。
「あーーーもう!"イケメン"なとこ!!」
「先輩の負け〜♡」
「………あ。」
咄嗟に出た言葉で、あっさりと負けてしまった。
嘘だろ?こんなに頑張って耐えたのに…。
落ち込む暇もなく、城崎は俺を押し倒した。
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