104 / 128
SS7-7
「せーんぱいっ♡おはようございますっ♡」
目が覚めると、身体は綺麗になっていて、シーツも新しいものに変えられていた。
くぅ…。こいつマジで彼氏力高すぎる…。
「昨日夜ご飯も食べずでお腹空いてるのは十分承知の上なんですけどね、お願い聞いてくれますか?」
「何……?」
「ゲームとかじゃなくて、俺の好きなところ教えて欲しいな〜って……。」
「…………」
城崎は人差し指同士を合わせて、モジモジとそんなお願いをしてきた。
昨日あんな恥ずかしい思いをして、まだやるか…とも思う反面、素直に伝えたい気持ちと、あと城崎を喜ばせてあげたい気持ち。
「………見つめ合ってなくてもいいなら。」
「……!!もちろんですっ♡」
城崎は俺をぎゅぅっと抱きしめて、黙り込む。
これは俺から言うのを待ってるんだよな…?
城崎の胸元に顔を隠しながら、小さな声で伝える。
「………俺にだけ、すげぇ甘いとこ。」
「……!!俺も先輩の好きなところ言っていいですか?!」
「……勝手にしろ。」
俺はやっぱり可愛くない。
言ってほしいのに、素面 だと素直になれず、捻くれた言い方しかできない。
なのに城崎は、そんな俺のことも大好きらしい。
「先輩の甘いものとか可愛いものが好きなギャップが好きです♡」
「………仕事に真摯的なところが好き。」
「前髪の生え際の赤ちゃんみたいな産毛が好き♡」
「………車の運転が上手いとこが好き。」
「エッチしていっぱいいっぱいのときに訳わからなくなってエロいことばっか言ってくるのが好き♡」
「………何だよ、それ。………俺のこと好きすぎて周りが見えてないとこが好き。」
「真面目そうに見えて、実はすごくえっちなとこが好き♡」
俺は割と真面目に伝えてたのに、こいつどんどんズレてってないか…?
てか、わざとか分からないけど、俺のペニスが城崎の脚に擦れてもどかしい。
チラリと上を向くと、城崎と目が合う。
「先輩、もっと教えて?」
あぁ、わざとだ。
このニヤニヤした顔は確信犯だ。
こうなったら、俺だって恥ずかしいけど言ってやる。
「……ぇっち…、が上手いとこ///」
意気込んだものの、声が上擦って恥ずかしくなって俯いた。
やべぇ…。もう顔上げれない…。
「先輩、それはちょっと刺激強すぎます…」
「へっ?!」
顎をグイッと持ち上げられて、強制的に目が合う。
視線の先にはとびっきりの笑顔で俺を見つめる城崎。
「大好きなえっち、もう一回しましょう♡♡」
「わっ?!も、もういいってば!!」
押し倒されて、朝から濃厚な二人の時間が始まった。
貴重な休みが、今日もあっという間に終わってしまいそうだ。
そんな俺たちの平和な日常。
fin.
ともだちにシェアしよう!