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9-4
またさっきの寝室に戻ってきた。
鎖をベッドに固定され、ある程度の距離以上は動きを制限される。
城崎は不機嫌な顔でベッドの縁に座っていた。
「城崎…、別れるなんて言ってごめん。」
「うん……。」
「自分でもなんであんなこと言ったか、全然覚えてないんだ。だから……」
「先輩、それって気休め?」
「え……?」
城崎はまた冷たい目で俺を見た。
なんで?
どうして伝わらない?
「先輩、さっきから全然俺のこと好きだって言ってくれないよね…。」
「……っ」
「俺のこと、好きじゃなくなっちゃったの?」
違う。
城崎、違うんだ。言えないんだよ。
口からどうしても、その言葉だけが出てこない。
「言えなくて…」
「は?それって好きじゃないってこと?」
「違う…っ!声に出てこないんだ!」
「ふぅん。」
城崎は呆れた顔で俺を見る。
やっぱり嘘だと思われてる…よな…。
どうしたらいい?どうすれば伝わる?
「俺のこと本当に好きなら、これ飲める?」
「何…?これ……」
城崎はポケットから小瓶を出した。
薄いピンクの液体、量的にも飲み物ではなさそうだ。
「媚薬。飲んだら全身が熱って、まるで自分の体じゃないみたいな感覚になるんだって。セックスしたくてしたくて堪らなくなるし、いつもよりすごく感じるんだってさ。」
「…………」
「これ飲んでも、俺以外としないって誓えますか?」
そう尋ねてくる城崎の目は据わっていた。
正直怖い。
でも、俺の口からは何故か"好き"って言葉が言えなくて、じゃあ行動で示すしかなくて…。
「わかった……。」
「じゃあ飲んで。」
城崎から小瓶を受け取り、中を一気に飲み干した。
直後、体の芯からゾクゾク変な感覚が湧き上がってきて、立つことすらおぼつかずにベッドによろけた。
「はっ♡あっ…♡なに…っ、これ…♡♡」
「もう効いてきたんだ?早いね。」
「ゃ…あっ♡城崎っ、城崎っ♡♡」
「はは。さっきあんなに出したのに、もうビンビンじゃん。」
「っっっ♡♡」
自分でもわかるくらいに張り詰めているソコを、城崎は人差し指で弾く。
その刺激だけで呆気なく達してしまった。
なんだよ…、これ……。
「先輩の恋人は誰?」
「城っ…、さきぃ…♡」
「正解。じゃあ先輩とセックスしていいのは誰?」
「…し、ろさき…っ、だけぇ…♡♡」
「うん、正解。いい子だね。」
城崎はベッドに這いつくばった俺を見下ろして、分かりきった質問ばかりを繰り返す。
正解すると頭を撫でられ、撫でられるたびに絶頂するような感覚に陥った。
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