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SS9-2

「主任…、お帰りになってたんですね。」 「!!!」 身を潜めていたが、声の主が誰だか分かり、布団から顔を出した。 睨みつけると、苦笑される。 「なんだ。城崎くん、起きてたんですか。せっかく主任を夜這いしようと思ったのに。」 「やっぱり油断できねぇ!変態蛇野郎!!」 「そちらこそ眠っている主任にナニしてるんです?まさか私や蛙石くんもいるのに、如何わしいことしようとしてないですよね?」 「俺は恋人だからいいんだよ!!」 「なんて暴論…。バレて困るのはあなただけじゃないんですよ?」 正論を返されてイライラする。 そんなこと分かってんだよ。 ぎゅぅっと綾人さんを抱きしめると、綾人さんは眉を顰める。 「痛ぃ…」 「あっ!ごめん、綾人さん…。」 「んん……」 寝ぼけているだけで起きてはいないようだ。 今日は本当眠りが深い。 ホテルの件もあるし、疲れさせてしまったみたいだ。 「城崎くん、二人とも寝てるんですから静かにね。」 「うるせぇ、バーカ。」 「主任はこんな口の悪い男のどこを好きになったんですかね…。ナニの大きさなら私も負けてないと思うんですけど。」 「キモいから一生死ね。」 「本当に口悪いですね。」 綾人さんを頭から足の先まで布団で隠し、蛇目から守る。 蛇目はため息をついて、そのままトイレに入っていった。 マジで油断ならねぇ。 少しでも俺がうとうとしたら綾人さんが…。 15分ほどして蛇目がトイレから出てくる。 「まだ起きてたんですか。」 「なげーウンコだな。」 「あなたが寝るまで時間潰してただけです。」 「キモ。」 「寝ないんですか?」 「朝まで寝ない。」 「明日の体力無くなりますよ?」 「おまえに綾人さん触れさせるよりマシ。」 俺がここで眠気に負けてしまえば、綾人さんに魔の手が迫ってしまう。 そんなの絶対ダメだ。 「本当に寝ないんですか?」 「寝ない。」 「私は寝ますよ。」 「ご勝手にどうぞ。」 こんな奴の言葉、誰が信じるかよ。 蛇目が自分の布団に戻ったのを確認し、俺は綾人さんが息しやすいように布団から顔を出してあげる。 寝顔可愛いな…。 思わずチュッとキスすると、綾人さんは無意識に俺に擦り寄ってくる。 「蛙石くんが見てたらどうするつもりです?」 「チッ。まだ起きてたのかよ。」 「寝ようと思ったら、面白いゲーム思いつきまして。聞いてくれますか?」 「嫌だ。」 「お眠りになってる主任に、同時に私たちのペニスを触れさせて、どっちに寄ってくるか試してみません?」 「は?マジでふざけんな。」 頭わいてんのか? 俺以外のを触らせるなんてありえない。 下ネタ全開の提案に蔑んだ目で睨む。 「私の方に寄ってきたら面白くないですか?」 「綾人さんが汚れるから半径1m以内に近づかないでもらえます?」 「私も主任の寝顔じっくり見たいです。場所変わってくれませんか?」 「耳ついてる?つーか俺やっぱりこの部屋無理。本当に気分悪いわ。」 布団から出て綾人さんを抱き上げようとすると、綾人さんは唸りながら俺の手首を掴んだ。

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