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第3話
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長い休みが終わる新学期を、学生の誰もが「招かざる厄介者」のように思っている。静流にとっても新学期は憂鬱の始まりだけど、その理由はたぶん、みんなのそれとは少し違う。
夏休み明けの友人たちはみんな、まるでガジュマルの木みたいにすくすく背が伸びて、時間設定を間違えて焼いたパンのように日焼けして登校してくる。
特に高校に入学してからの陽介ときたら、身長だけでなく肩幅も胸の厚みも休みが終わるごとに大きくなっていくようで。
「眩し……」
ベッドに寝転んでかざした腕を少しずらすと、天井からの照明が直接瞳に飛び込んでくる。静流は目を閉じて腕ごと体を横向きにした。まぶたの裏に見える丸いライトの残像は、昼間のギラギラした太陽のようだった。
残像太陽を背負うように、陽介の日焼けした顔が現れるから静流は慌てて目を開ける。そして見えるのは自分の細くて白い腕。
陽介のような逞しい体に憧れても、どうやったって日焼けはしないし背も伸びない。ついでを言えば体毛は薄いし、もっとついでだが性欲も薄い。静流は小さくため息をついた。
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