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第6話
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「なんでウチで食ってるんだか意味わかんねぇ」
「だって独りごはんは美味しくないでしょ?」
そんな会話をしながら焼き肉丼を五分で平らげた陽介を前に、静流の箸はなかなか進まない。げんなりしながらプラスチック容器をテーブルに放り出せば、ジャンプから目をあげた陽介が「しーちゃんしーちゃん」と呼ぶ。
「ちょっとこっち来て」
しぶしぶソファに並んで腰をおろすと、陽介はカラフルなページを静流に差し出してきた。水着姿の女の子たちが、それぞれの決めポーズでこちらに笑顔を向けている。
「なに?」
「しーちゃんはさ、この中でどの子が好き?」
「は?」
下ネタ系か? 勘弁しろよ。席を立とうとした静流の腕を、節くれだった指がガシリと掴む。下ネタに持ち込むにしては真剣すぎる瞳が静流を見上げていた。
「な、なんだよ?」
「ねぇ、しーちゃんはどの子に萌える?」
逃げを打てない雰囲気に、静流も真面目にページを凝視する。
清楚な子もいれば肉感的なスタイルで微笑む子もいる。けれど胸の中のメーターはピクリとも動かない。……萌えねぇ。
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