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第60話
「はぁ……う」
息継ぎの仕方なんかも知らないから、僕の呼吸は絶え絶えで。相良さんは余裕があるのかもしれないけど。こういうの、僕は初めてだから。
「おねむかな?」
ぽんぽんと髪を撫でられる。その触り方、好き。もっと、してほしい……。僕は意識的に相良さんの手のひらに頭を擦り付けた。相良さんはちょっと息を詰めたみたいで、自分の髪をかるくかいた。
「それ以上俺のこと刺激しないで」
「止められなくなるから」そう言って、僕の身体を抱き起こした。お姫様抱っこで寝室に運ばれる。もう、何が何だかわからない。突如襲ってきた眠気に全て持っていかれてしまう。
「続きはまた今度ね」
僕は続きがあるんだと思って、瞳を閉じる。相良さんの手のひらが僕の髪を何度も撫でているのを感じて、夢の中に誘われていった。
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