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第65話
いつしか飴玉は溶けてなくなっていて、僕はソーダの味がする相良さんの舌を一生懸命追いかけていた。相良さんの胸元の服を掴んで、離れたくなくて。必死で。あまりの気持ちよさに視界が潤んでくる。嘘、僕泣いてるの? 滲む視界の先で相良さんが笑った。ちゅうちゅうと唇を吸う僕の肩を少し引き離す。あ、もっとしたかったのに……。僕は不満げに眉を垂らした。それを見て相良さんはすぐさまフォローしてくれる。
「100点満点。花丸」
よしよしと僕の髪を撫でてくれる。よかった。ちょっとは相良さんのこと満足させられたかな。苦手なことを1つ覚えられた喜びに浸っていると、今度は相良さんが僕の手を引いた。
「今度はもう少し上級者向けのお勉強をしてみようか」
「……はい」
今度はなんだろう。そう思って相良さんに手を引かれて寝室に向かう。僕はベッドの前の床に座る。相良さんはベッドの上に座って足を組む。僕はちょっと胸が弾む。相良さんのことを満足させられるならなんでもできると思って。
「present 」
相良さんのCommandは僕の耳にこそばゆく届いた。だって、耳元で囁くから。僕の体は勝手に服を脱ぎ始める。着ていたパーカーを脱ぎ捨てると、躊躇なくズボンを下ろした。相良さんには手を怪我したときに裸を見られているとはわかっていても、恥ずかしい。パンツ1枚になった僕を相良さんは楽しそうに見ている。僕の手はなんの躊躇いもなくパンツを落とした。床に落ちて、僕は何も身につけていない。直立したままベッドに座る相良さんを見上げる。
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