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第95話

 その日は夕方、車で家まで送ってもらった。今日はすごく色んなことがあった。泣いてスッキリしたのか、心は軽い。相良さんといると心が浄化されるときがある。今まで欲しくて欲しくて手に入らなかったものを相良さんは与えてくれる。  あざらしのキーホルダーは家の鍵に付けていつでも持ち運べるようにした。あざらしのあかちゃんのぬいぐるみは枕元に。これを置いておけば、相良さんが近くにいるような気がして心が落ち着く。  窓の外を見上げれば、風が強かったからか雲がなく月明かりだけが差し込んでいて。その光が僕の部屋の中にまで入り込む。ぬいぐるみを抱きしめて、瞳を閉じた。

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