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第107話

「声出してって言ったよね。もっと李子くんのかわいい声が聞きたいな」  相良さん怒ってる? 僕が上手く喘げないから。体の熱がしゅんと下がる。でも、僕のものは依然と張り詰めたままで。早く触りたい。イきたい。そのことばかりが頭を渦巻く。 「大きい声で言ってごらん。僕はえっちな子ですって」  相良さんの指が僕の顎を撫でる。僕は喉をごろごろ言わせて、相良さんの手に擦り寄る。 「僕は、えっちな、子です」  言えた。こんな恥ずかしい言葉2度と口にしたくない。それなのに相良さんは 「だめ。聞こえない」  許してはくれなかった。僕は大きく口を開けて叫ぶように言う。悲鳴に近かった。 「っ僕はえっちな子です」  しん、と部屋が静まり返った。自分の部屋で何を言ってるんだろう、僕は。相良さんはやっと笑顔を見せてくれた。 「よくできました」  僕の膝にキスを落としてくれる。相良さんの髪、艶々してて綺麗。僕はそっとその後頭部に触れた。相良さんの体がびく、と震える。 「っ」  見上げた相良さんの顔は、まるで獣のようで。僕を壁に押し付けて唇に蓋をした。両手を頭の上でひとまとめにされて、相良さんの口を頬張る。おいしい、おいしい。僕は夢中になって相良さんの口に舌を入れる。相良さんの舌が僕のものを追いかけてくる。僕も相良さんの舌を追いかけて。2人で追いかけっこをしていた。 「っはぁ………っ……」  ようやく口を離してくれたのは、たっぷり口内を蹂躙されたあとだった。相良さんは僕のものに触れてきた。骨ばった大きな手が僕のものを包み込む。そのまま裏筋を人差し指と中指の腹で擦られる。その刺激が強すぎて、僕は胸を突き出してしまう。今度はぐりぐりと親指の腹で先端を撫でられ、腹の奥がふつふつと熱を生む。それ以上されたら……もう……。 「イきたい?」  僕はあまりの気持ちよさに瞳に涙を浮かべていた。滲んた視界の隅で相良さんの唇が見える。必死で頷くと、相良さんが僕のものを更に激しく責め立てた。 「イくときには、ちゃんと言うんだよ」  「このお口でね」と僕の唇を撫でる。

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