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第118話 R18
「……っ」
首筋に相良さんの舌の熱が届く。鎖骨のあたりを執拗に舐めてくる。ぴちゃぴちゃぴちゃ。濡れた音が耳元で響くから。僕は身を捩らせて小刻みに震えていた。声を出したらだめだから。必死に両手で口を塞いで。吐息すら、もれないように。シャツが腕まで落ちた。相良さんは喋らない。もう、5分経ったかな。まだ、1分くらいしか経ってないのかな。視界が奪われてしまったから、時間感覚も狂っていた。
「っああ」
僕の口から悲鳴が上がる。相良さんが僕の足の間をぐりぐりと踏みつける。痛い……痛い。なんで。不意打ちに驚いたのと、初めて感じる痛みに声がもれてしまった。僕はその瞬間、自分の中の熱がさあっと引くのを感じた。
「あと20秒で5分だったのに。李子くんは我慢できない子なんだね」
相良さんの静かな怒りだけが伝わってくる。それは僕の体をがくがくと震えさせるには十分な威力を持っていた。僕は声が出せずにその場にぺたんと足を開いて座り込む。もうkneelの姿勢さえ保てなかった。
「今自分がどんな格好してるのか、見てみようか」
視界が眩く輝くから、僕は目を何度か瞬かせた。目の前にいるのは自分だった。白いシャツを腕まではだけさせて、頬は紅く上気している。薄いピンク色の髪をした男の子。それが、僕だと気づいたのはそこが大きな鏡の前だと気づいたから。でも、1番目がいったのは僕の下半身でーー。
「ほら。もうこんなになってる」
背中から相良さんの腕がまわる。そしてその大きな手のひらが僕の股間をぎゅと掴んだ。やわやわと揉まれて、そこはいっそう大きくなる。どうして……なんで勃ってるの?
「李子くん。俺が耳を舐め始めたらすぐにこうなっちゃったんだよ。自覚なかった?」
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