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第119話

 自覚なんて、これっぽっちもなかった。自分のみだらな格好に目が離せなくなる。そして、背後から見つめてくる相良さんの目を、鏡越しに見つめていた。 「今日は俺の言うこと全部聞いてくれる?」  相良さんの目の奥が笑ってない。頬に笑みを浮かべているはずなのに。僕は背中に嫌な汗が噴き出すのを感じた。 「鏡に手をついてお尻を突き出して。顔は真っ直ぐ上げて鏡を見て」  僕はふらふらと力なく立ち上がり、指示通りお尻をあげた。この格好恥ずかしすぎる。相良さんが僕のお尻の上に顎を乗せた。 「座ったりしたらだめだからね」  ぬる、と尾てい骨のあたりを舌が這う。相良さんの左手が僕のお尻を鷲掴みして強く揉み込む。手跡がついてしまうくらい、力強く。お尻の痛みなんてめったに感じないからか、すごく痛い。相良さんは両膝を立てて僕のお尻を舐める。  つん、と相良さんの舌が僕の蕾をノックするようにつつく。僕は、きゅ、と全身に力が入るのがわかった。何度も何度も上下に舐められ、恥ずかしさで手が震えてくる。 「ちゃんと声出して」 「は、いっ……んんぁ」  僕は必死に声を出す。相良さんに聞こえるように、少し大きく。そしたら相良さんは笑ってくれるからほっとして、壁についた手を離してしまった。 「痛っ」  パシン、とお尻をぶたれる。じんじんする。熱い……。そう思ったら、今度は僕の張り詰めているものに手をかけてきて、手を筒型にして動かし始めた。僕の足はいよいよ震えて言うことをきかなくなる。だめだ。このままじゃ、立っていられなくなる。僕は壁にもう一度手をついて、つま先に力を入れる。その間も相良さんは手を止めてくれなくて。 「ふぁっ」  相良さんが僕の蕾に舌をねじ込んでくる。熱い、気持ち、いい。僕の身体は火照ったように熱くなり始める。気づけば汗だくで、鏡の中にいる自分が辱められていることに改めて気づく。

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