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第140話
「……疲れた?」
2人して床に寝転んで。相良さんの腕枕に甘んじながら、囁かれる。頬を撫でる手つきは優しい。
「ちょっと……いろんなことがあったから、疲れたかもしれないです」
思ったことをぽつりぽつりと呟く。先程までの行為を思い出すと、ぷしゅうと頭から煙が昇りそうだ。
「たくさんカロリー消費したから、甘いものでも食べない?」
相良さんの甘い提案に僕はすぐさまのる。僕は甘党星人だから、甘いものには目がない。それを相良さんは知っているからかな。相良さんの気遣いに胸がぽっと灯る。2人で服を着せ合いっこしたあとに手を繋いで廊下に出る。
服は脱がされるより、着せられる方が恥ずかしいのだと知った。
「はい。これ」
「……かわい……い」
ちょこんとローテーブルの上に置かれたのは、手のひらサイズの牛乳瓶。ガラスの部分が透明だから中身は薄いピンク色だとわかる。
「食べてみて」
相良さんにスプーンを持たされて、僕は牛乳瓶の蓋を開ける。ぱか、と音が聞こえて。ぷるぷるとした表面にスプーンを沈めた。掬いとったものを口に運ぶ。その間、相良さんが瞬きもせずに様子を見ているから。僕は緊張して持っているスプーンを揺らしてしまう。落とさないようにしなくちゃ……。はむ、と1口。
「……ん!」
思わず変な声が出た。だって、おいしい。味はたぶん、いちごミルク。食感的にプリンだ。ミルクの芳醇な香りが鼻を突き抜けて、次いでいちごの甘さが舌の上を滑り落ちる。僕はそのままぺろりといちごミルク味のプリンを食べきってしまった。
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