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第159話
痛い? 怖い? 辛い?
未知の感覚に怯えてしまう。でも、でも。
相良さんならきっと優しく開いてくれるはずだ。僕の知らないところを。相良さんにだけ教えてあげたい。
シャワーを浴び終えてリビングに足を踏み入れる。定位置と化した白いもちもちのクッションに体を沈める。ずももも。僕の体重が乗って形が変形した。
……暇だ。
相良さん仕事は何時までなんだろう。今は18時30分だ。相良さん、お腹、すいてないかな。僕は今かなりお腹がすいてしまっている。
そうだ。キッチンを借りてなにか簡単なものを作って持っていこう。我ながらナイスアイデアだと思う。
僕はるんるん気分でキッチンに忍び込む。すると、大理石の台の上に白い紙袋が置いてあった。難しい漢字が筆で書かれている。僕はそれの中身をなんとなく見てみたくて。おそらく、相良さんが僕のために買ってくれたものだと信じて疑わなかったから、中身を見てしまった。
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