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第191話 急募:家政婦さん
相良さんからメッセージが来たのは、金森さんとお好み焼きを食べた日の2日後だった。
『急募:家政婦さん。理由は後で説明するから、来て欲しい。来てくれなきゃ、俺死んじゃうかも』
その直後に、うさぎがしくしく泣いてるスタンプ。
僕はそのメッセージがふざけてるようで、どこか深刻な様子を読み取り仕事が終わるとすぐに相良さんのマンションに向かった。
インターホンを鳴らす。秒で、ガチャとドアが開く。よろり、と相良さんの体躯が飛び出してきた。僕はその身体を抱きとめる。
身体、すごく、熱い。
苦しそうな声で笑う。
「ごめん」
珍しく荒い息を上げて、相良さんが僕を部屋に迎え入れる。でも、足取りもおぼつかないし、髪の毛はぐしゃぐしゃだし。
相良さんが寝室に入る。僕は相良さんを支えていた。あんまり、僕じゃ支えられてないかもしれないけど……。気持ちだけでも、支えられたら。そう思って。
とすん、とベッドに彼が突っ伏す。枕元にはおでこを冷やす保冷剤らしきものが置いてあった。あと、白い錠剤のシートに、ペットボトルの水。
「……来てくれてありがとね」
こほ、と息をひとつしてから相良さんが微笑んで僕を見る。僕はあんなことがあったばかりだからか、うまく笑えてるかわからない。
「見ての通り、風邪ひいちゃって……。昨日から会社から休みもらって病院行ったりしてたんだけど、悪化しちゃって。俺、頼れるの李子くんしかいなくて。熱出た頭で考えた。李子くんがいたら、どんなに楽になるかなって」
相良さんが気だるそうに身体の向きを変える。
「だから、来てくれてありがとう」
つん、と僕の胸の中心を人差し指で小突く。とくん、と胸に震えが走った。
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