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第194話
器のお粥を全部食べ終えた後で、相良さんが僕に言う。
「おかわり」
僕は正直いうと嬉しくてしょうがなかった。相良さんが僕の作ったものを食べてくれた。おいしいと言ってくれた。おかわりと、言ってくれた。僕は喜んでおかわりの分を器によそって、また相良さんに食べさせた。
お粥を食べ終えた相良さんが、しばらくベッドに座って休んでいる。その間に僕は洗濯物をまわした。ついでに、お皿洗いもした。キッチンを元通り綺麗にしてから、洗濯物を干す。
頼まれていた家事を一通り終えてから、僕はぬるま湯に付けたタオルを片手に寝室に入る。相良さんは横になってぼーっと壁のほうを見ていた。静かに声をかける。
「相良さん。汗、拭きますね」
「……うん」
相良さんの瞳が薄らと瞬いた。眠かったのかな。相良さんが布団を剥ぐ。そして、着ていたTシャツをおもむろに脱いだ。
服の下から現れた引き締まった身体は、もう見慣れているはずなのに恥ずかしくて目を逸らしたくなる。僕はいそいそとタオルを相良さんの身体にくっつけた。なるべく、相良さんの身体を見つめすぎないようにして汗を拭き取る。
お腹と胸は拭けた。あとは背中だ。相良さんはゆっくりとうつ伏せになる。肩甲骨がくっきりと浮かぶ背中。僕は濡れたタオルで相良さんの背中を拭く。
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