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第204話

 どきんとした。透夏くんの声、ものすごく冷たく聞こえるから。 「素っていうか、いつもこんな感じだけど、ヘンかな」  僕は急に自分に自信が持てなくなる。 「……別にぃ。歳いくつよ」  じっとりとした目で見られる。耐えきれずに、視線をそらした。 「にじゅう、はち」 「はあ!?」  その声の大きさに周りの人たちも一瞬びっくりしてたけど、すぐに談笑に戻っていった。  透夏くんは、僕のことをじっくり観察しているらしい。どうしよう、気まずいな。 「DKだと思ってたワ。おまえのDom……未成年淫行の犯罪者だなって思ってた。先に謝るわ。ごめんな」  DKって、男子高校生の略だよね、たしか。ぽんと、肩に手を置かれる。他の人から見たらそんな風にも見えるんだ。相良さんに申し訳ないな。 「まじで肌つやっつや。なんか手入れしてんの」  先程と打って変わって僕に興味を持ってくれたらしい。なんだか少し距離が縮まったみたいで嬉しくなる。 「いちおう、保湿成分のある化粧水と乳液を少々。たまにパックもしてる」 「へー。どこのやつ?」 「うーん。ドラッグストアで売ってるやつで……名前は覚えてないや」 「まじかよ。今度教えてよ」  「ほら」と透夏くんが僕にスマホを見せてくる。メッセージアプリのQRコードが載せてあった。

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