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第205話

「え、いいの?」 「逆になんでダメなの」  う、質問返しされてしまった。僕はいそいそと透夏くんの画面を読み取る。そうして、僕のも彼に読み取ってもらった。 「じゃあ李子。はい、Sub《さーぶ》」  カシャ。カメラの音。透夏くんのスマホから。自撮り? 僕と頭を寄せた透夏くんがうつってる。写真の中の僕は少し驚いて目を見開いている。 「これ、ネットに上げてもい?」 「いいけど……」 「よっしゃー。おまえのおかげでファン増えるわ」 「ファン?」  透夏くんがスマホを操作しながら答える。僕の方ではなくスマホを一心に見つめている。 「そ。俺、たまにSNSに仁さんとの動画とか写真とかアップしてるんだ。思い出記念にね」 「どうして僕のおかげでファンが増えるの?」  素朴な疑問をぶつけてみる。 「そりゃ、おまえみたいにかわいー野郎が俺の隣にいたら目立つし好印象」  ぐっ、と親指を上げるポーズ。そっか、そういうものなのか。僕はなんとなく納得する。

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