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第222話
「あめェ」
透夏くんが手をわきわき動かす。
「あっま。激甘だねー」
せつくんもじっと僕を眺める。
「じゃあお仕置は?」
せつくんの質問に僕は小さな声で答えた。
「そ、の……ほっぺた叩かれたり、お腹蹴られたりとか」
「まじか。あの人そんなことするんだ」
意外、というような透夏くんの顔。
「李子。それは李子も許容してるお仕置なの?」
真顔で僕を見るせつくん。視線が厳しい。だから僕は素直に言葉を吐き出した。
「まだ、そういうお仕置をされたのは数回なんだけど、怖くて。やめてくださいって言ってもやめてくれなくて……どうしたらいいか、わかんなくて」
ゔゔーと、透夏くんが唸る。
「おまえのDom相良だっけ? これは俺案件。仁さんに言って、バチボコに制裁してもらおう」
「っやめて。相良さんがそういう人だってこと、周りの人には伝えたくない」
透夏くんなりのやさしさなんだということはわかってる。でも、好きな人の悪い部分を本人に断りもなく周りに広めるのはいけないことだと思った。
「ねえ、李子。Domはね、たしかにSubのことをお仕置するよ。けど、それは暴力を振るっていいっていう意味じゃないんだ。愛情の裏返しとしてお仕置があるんだよ。だからーー」
せつくんが僕の両肩に手を置いた。
「がんばったね」
その瞬間、胸の中につかえていたものが、ぶわ、と放たれた。
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