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第224話
「おゥおゥ。もっと感謝しろー」
「良かった」
2人の安心したような顔を見て、僕は胸の中がぽやぽやとするのを感じた。友達ってこんなふうなんだ。悩みを真剣に聞いて、答えてくれる。困ったときに、手を差し伸べてくれる。
僕もいつか、2人に恩返ししよう。
ベッドの上でお互いのmateのplayについて批評し合う2人はほんとうに仲良しなんだと実感する。
2人のちょっと過激な内容の話を苦笑いして聞いていると、ふとせつくんが僕の髪を撫でた。おでこのあたりを、何度か指が往復する。せつくんの指、長くて綺麗。ごつごつしたシルバーのリングがいくつもついてる。
「これ、りこちの趣味?」
髪の毛のことだろうか。僕は、ううん、と首を横に振る。
「相良さんが好きな色なんだって聞いて……染めてくれないかって言われたから染めてみた」
透夏くんは「これが相良の趣味なんか」とわらっていた。馬鹿にしているふうではない。からかっているような笑みだった。
「じゃあ俺と似てるね」
と、せつくんが自分の髪を指で撫でつける。似てるって、どういう意味だろう。そんな疑問が頭をもたげたけど、僕はずっと言いたかったことを頭に浮かべる。
「せつくんの髪型、かっこいいよね」
僕は初対面のときから思っていたことを口にする。それを聞いてせつくんが、ふわとわらった。
「黒髪マッシュっていう髪型なんだって」
言い終えたあと、せつくんがころころ喉を鳴らして笑う。
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