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第227話
「そうなんだ」
僕もせつくんの真似をして体育座りをする。
「その日、ほんとは赤藤にあるイルミネーション見に行く予定だったんだ。電飾100万個だっけな。とにかく、でっかいの。でも、さ。俺がはしゃぎまくってたら熱出しちゃって、行けなくなったんだ」
せつくんが、自分の手首を自分で押さえつける。
「Dom様は、謝り続ける俺を責めずに許してくれた。赤藤は、俺とDom様がいつか行きたいねって言ってた場所だから。行けなくてすごい辛かったな」
せつくんの表情がどことなく虚ろになる。見ていて、心配になった。
「クリスマスの日に寝込んで終わりとか、ないじゃん。聖夜だよ? Dom様にとっては、俺なんかより特別な日なんだよ。そんな素晴らしい日を俺がぶち壊したって思ったら申し訳なさすぎて……ベッドにくるまってたら、Dom様が静かに布団を捲ってきたんだ」
「おー。いい展開じゃん」
透夏くんの期待に満ちた声が聞こえる。
途端、ふわ、とせつくんがわらった。透明な笑顔だった。硝子で作った花みたいに、きれいだ。
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