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第245話
「Go to bed《ねる時間だよ》」
赤ちゃんあざらしを動かしながら、相良さんが言う。僕の瞳は、だんだん重たくなっていった。だめだ、もっと相良さんと話していたいのに。
鼻先に口付けを落とされた。
意識を手放す直前に「ありがとう」と彼が言うから。僕は頷きながら眠りに落ちていった。
いつまでも、いつまでも一緒にいたい。雨の日だって、晴れの日だって。
何度でも、何度でも。あなたのことをとどめておきたい。この場所に。僕の近くに。すぐに触れられる距離で。
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