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第249話 ※
「っう……あ」
痛めつけられた分、やさしさを感じやすいのか。
痛めつけた分、愛情が増すのか。
僕に暴力的なplayをした後の相良さんの飴は、甘すぎる。舐めたら、一瞬で溶けてしまうような。そんな甘さだ。
相良さんが与えてくれるキスを頬張りながら、身体を揺さぶられる。ベッドのシーツに縫い付けられて、逃れられない。
身体の奥が震えている。相良さんを受け入れられる喜びに、身体中が歓喜しているんだ。あんなに痛い思いをしたばかりだというのに。僕の身体と心は素直に快感に溺れてしまう。
「あ、締まった」
ふと、彼が呟いた。僕は顔に熱が集まるのを感じてそっぽを向く。
むぎゅう。
頬を鷲掴みにされる。相良さんの目と強制的に視線が合う。
「ほら、こっち見て」
しぶしぶ相良さんを見上げる。こめかみに汗の粒。喉仏が出っ張っていて影ができている。ああ、かっこいいな。
「そんなに目、うるうるさせるくらいきもちいいの?」
僕、そんな顔をしてるんだろうか。無言でいると、それを肯定と捉えたのか相良さんが僕を抱き起こした。
「っ」
「ほら、がんばって」
相良さんはベッドの背もたれに背中を預けて僕を見る。いわゆる、騎乗位というやつだ。僕は自分の重力のせいで中の様子が詳細に感じられて、あまりの羞恥に顔を伏せてしまう。
ほら。と、相良さんの目が言う。無言の圧力に負けて僕は膝をベッドについて、腰を上下に動かした。僕はこの体位はあんまり上手な方じゃないと自覚してる。でも最近、相良さんはよくこうしてくるから。僕は恥ずかしくてしょうがない。
ふと、伏せていた目を上げる。ちらり、と相良さんの表情をうかがった。
「……あ」
驚いた。相良さん。目を閉じて感じてくれてるのかな。頬がほんのり紅く染まっている。僕の中が無意識に締まったのか、相良さんのおでこにしわが寄った。ぱち、と目が開いてそれが僕とぶつかった。
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