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第255話 お助けアイテム
翌朝、相良さんは朝から仕事に行ってしまったけれど、腰に走る重みと違和感からは逃れられなかった。
よろよろと壁に手を付きながらキッチンに向かう。冷蔵庫から相良さんが買ってくれていたぶどうジュースを飲んで、1呼吸置く。
リビングの白いもちもちクッションに身体を埋めてストレッチを試みる。
「いたあ」
上半身のストレッチをしただけなのに、腰に鈍く痛みが走る。ぎっぐり腰にならないように気をつけなきゃ……。
今日は残業をして帰るよと相良さんからのメッセージが来たので、1人で帰宅することになった。お泊まりセットの入った黒のリュックを背負い家から出る。電車に揺られながら、すぐさま寂しさに襲われてしまう。来週は会えないから、次に相良さんに会えるのは再来週か。その間、ちゃんと生きていけるかな、僕。
そんな不安を持ちつつ、最初の3日目までは仕事に取り組めていた。でも、4日目。ついに僕は我慢できなくなり、相良さんがくれたお助けアイテムを開くことにした。
紙袋の中に入っていたのは、白いビニール袋。包みを開けるとその中には。
「っ!?」
これがお助けアイテム?
僕はすぐさま相良さんにメッセージを送る。ほんとは仕事中で送るのを躊躇っていたんだけど、これに関しては聞かなきゃだめだと思ったから。
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