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第256話

 翌日の夕方に、返事が来た。僕は、その返事と手の中にあるものとを見比べる。  僕の手の中には、いわゆるオナホールとローションがおさめられていた。そう。紙袋の中にはこの2つが入っていたのだ。お助けアイテムという言葉通りだ。  相良さんが少し時間があるから通話しようと言ってきたので、電話をかけてみる。ワンコールの内に電話に出てくれた。 「お疲れ様。もう使ってくれた?」 「お疲れ様です。まだ、使ってません……」 「そう。じゃあ、今使ってみてよ」 「えっ」 「俺のお願い聞けないの?」  悪戯そうな声。僕は電話越しにふるふると首を横に振って返事をする。 「言うこと聞きます」 「うん。それじゃあ、まずは丸い筒型のほうから使ってみて」 「……は、い」  僕はベッドの上に足を投げ出すと、服の上から足の間のものを掴んだ。変な話だけど、僕は相良さんと電話中に勃起してしまった。そのくらい性欲が強くなってしまったのかな。自分の体が恥ずかしい。けど、相良さんのお願いなら……。叶えてあげたい。 「まずは勃たせてからだけどーー李子くんのことだからもう勃ってるかな」 「っ」  なんでわかるの? その言葉を伝える前に相良さんが白状した。 「ごめんね。白状するけど、俺も李子くんの声聞いたら硬くなっちゃって……聞きながらシてもいい?」  もちろんです。とは言えなかったけど。嬉しかった。相良さんも僕のことを想って興奮してくれてるんだ。その事実がなによりも胸を温めてくれた。

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