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第258話

「奥まで入れました……」 「……そう。じゃあ、動かしてみて。そのときの感想も教えて」  電話越しの相良さんの声、少しくぐもっている。秘密の電話みたい。なんだか僕も声を小さくしてしまう。 「っ、あ……あ……ン」  ゆっくりと、上下に筒を動かしてみる。裏筋のところが何度も中で擦れて気持ちいい。先端の先には、そこを刺激するためか真空状態になる仕組みらしく足の先がピンと張るくらい気持ちがよすぎる。 「……もうイきそう?」 「ごめんなさ、い。気持ちよすぎて……もう、ダメかもしれないです」  本音だ。だって、こんなの、こんなに気持ちいいのすぐにイっちゃう。初めての刺激に慣れずにいると、電話越しから相良さんの熱い吐息が聞こえてきてさらに身体が熱くなる。 「李子。イきそうになったら教えて。俺も一緒にしたいから」 「はい……ん……ぁ」  手を動かす速度がはやまる。これ、たまんない。こんなに、気持ちいいの、知らない。  ふと、頭をよぎった。相良さんも僕の中に入れるときは、こんなふうに感じてくれてるのかな。そう思ったらお腹の奥から勢いよく熱が飛び出してきて。 「っあ……あっ」  僕は高く鳴いてオナホールの中に射精してしまった。あ、中に出しちゃった……。 「相良さ、ごめんなさ……」 「っ」  相良さんが息を飲み込んでいる声が電話越しに聞こえたから。僕は嬉しくてたまらなくて。ああ、今彼も達したんだ。離れているのに、目の前に彼の熱があるように感じてスマホを握りしめる。

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