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第267話
「大事なことだから、もう1回聞くね」
僕を見る相良さんの瞳はあたたかい。黒く、澄んでいる。
「俺と一緒に来てくれるかな?」
首を傾げて僕を見る。
「……っもちろん。つれていってください」
言っちゃった。僕、英語なんて全然わからないのに。相良さんといれば、世界中どこでだって幸せだなんて思ったりして。深く考えてなかった。
「……よかった」
もふ、と相良さんの着ていたもこもこの寝巻きが顔にあたる。相良さんに抱きしめられているから。安堵のため息を落とす相良さんを見上げた。
あ、すごく、嬉しそう……。
僕も嬉しくなって抱き返した。そうしたら、相良さんのスイッチが入ってしまったらしい。服の上からおしりのあたりを掴まれて、揉みこまれる。
「さ、相良さっ……」
「……嫌なの?」
至近距離で見られて、囁かれて。気がどうにかなってしまいそうだ。
「嫌なら、やめるけど」
おしりを掴んでいた手が離れる。僕は自分の気持ちに正直になろうと思って、相良さんの唇に自分のそれをくっつけた。一時停止した相良さんの顔、おもしろいかも。なんてことを悠長に考える余裕を彼は与えてくれなかった。
抱き上げられて、寝室に連れていかれる。ベッドの上にとさりと落とされ、上に着ていたパーカーを脱がされる。下に履いていたスラックスも下ろされてしまう。相良さんも、自分の着ていたもこもこの寝巻きをはだけさせた。うう、胸板が眩しい……。
触れるだけのキスを、角度を変えて数回。指は僕の胸をくるくると撫で、胸の突起を弾いてくる。その度に腰に甘く響いた。
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