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後日談 溺愛オメガは運命を織りなす(5)

「……んぁ、きもちいい、……ッ」 「痕、たくさんつけてやりたい」 「んっ、んっ……や」  ついばむようなキスが上半身をおおう。 「……」 「け、けいと……?」  へそのあたりで、ぴたりと慶斗の動きが止まった。そして体を離すとすぐにサイドボードに置かれていた電話の受話器を手に取り、番号を押す。 「大丈夫だ」  慶斗は用を済ましたのかすぐに受話器を置いた。そして横にあったペットボトルを開け、サイドボードにあった箱から錠剤を取り出して飲んだ。手慣れた様子を目にしながらも、俺の身体はじわりじわりと灼けつくような熱に襲われる。 「……ぅ、それって……っ」 「薬だ」 「……くすり」 「ヒート、来てる。俺は抑制剤を飲む。おまえはそのままでいろ。いくら薬でも身体に負担が増すって前に医者にいわれている。つらかったらフロントから取り寄せるから安心しろ」 「で、も……、ここ」  旅館だ。しかも山の中。  だらしなく開いた太腿の隙間から慶斗の身体が押し入る。下着越しから、猛った雄が触れた。 「大丈夫だ。ちゃんとヒートのときも対応できるようなところを選んでる」 「え……」 「万一ってあるだろ。休みは申請しているし、たっぷりおまえの相手をさせてくれ」  後ろから抱き寄せられ、耳たぶを甘嚙みされた。舌で縁を吸い舐められる。 「う……ん、……」 「ずっとそばにいて正解だったな」 「……あっ、みみ」  耳の奥まで尖った舌で舐められて、低い声が響いた。慶斗のあまい声が流れてこんでくる。背中から伸びた手で、乳首をこねるように潰される。 「こんな姿、だれの目にも触れてほしくない」 「んっ……、あ、あ、あ。……だめっ」 「浴衣脱いで、気が気じゃなかったんだぞ」 「えっ、あっん」 「あまい匂いだってさせて、これじゃまるで飼い殺しだ」 「そんなつもりじゃっ……ふっ」  横から唇をのせられ、上唇ごと食べられる。  そのまま顎をつかまれて、舌が深く這入ると互いの唾液を絡める。ぴくぴくと肌が粟立つ。熱いものが下腹部にあたり、慶斗の雄も硬くなって反応を返しているのがわかった。仰向けに転がされて、覆いかぶさる背中に手をまわすと、鍛えられた肉体に骨ばった肩甲骨が浮き出て汗ばんでいた。蒸されたようにあつくなる。すっぽりと隠れた自分の身体に肌と重さが密着して、さらに熱が増す。 「まずは一回だせ」 「あ……っ」  ぐっしょりとなった柔茎をふんわり包まれ、上下にゆるゆると扱かれた。太くて長い指が、からみついて、親指が筋を抑えた。ゆるやかな動きで上へと導く。 「すぐだな」 「あっ、だめっ、けいと、けいとので……ッ」  跳ね上がる腰を押さえつけるように、慶斗は全身で縫いとめる。互いの身体を重ねながらも、愛撫され続けられ、がくがくと弓なりに反り返ってしまう。 「出してからの方がつらくないだろ」  つんとたった乳首を口にふくまれて扱かれる。にゅるにゅるとしたやわい動きがもどかしい。 「んっ、ん、んあ、あああああっ」  乳輪ごとじゅっと吸われ、舌先で先端を刺激されてあっけなく達してしまった。ぴゅうと情けない量を吐き出し、手のひらに放ったものをぺろりと舐められた。 「……いい味だ」 「んっ、舐めないで……」  へなへなと力が抜ける。それでも、体の奥がひくつくように求める。足がだらしなくひらいて、濡れて光るところをさらけ出してしまう。吐き出しても、この熱は番いでしか治められない。それほど身体を快感でぬりかえられている。 「つらいか?」 「……あっ、ちょっと」  心配そうな顔で、頬にキスされた。  涙ぐんで抱きつくと、硬い漲りが腹にあたった。  欲しい。ほしくて気が狂ってしまいそうになる。 「いれてもいいか?」 「だ、いじょう、ぶ……」 「もう濡れているな」  剛直を期待していたのに、後孔には中指の先端がつつくようにあてられた。つぷっと丸みを帯びて這入る。うねうねと動いて、擦り上げるように中へと埋め込まれていく。肉壁が蠕動しながら、導く。いつもよりぐっしょりと淫液が溢れて誘っている気がした。 「あっ、あぅ……ああっ」 「ゆっくり、ほどいていくぞ」 「えっ、あ、んっ、んあ。……あ。あ。あ……」  中指に人差し指が加わり、二本の指が奥でとんとんとふくらみを押し潰す。指が動くたびに、皺が伸ばされて緊張がほどけていく。蕩けきった蕾は雄を受け入れられるのに、慶斗は納得するまで許してくれない。 「も、もう。もう、いいよお。……んぁ、あ、だめ、だめ、いっちゃう」 「だめじゃないだろう」 「あっ、ああっ、んあっ」  しがみついて、首を横にふるふると振る。むり。もう無理。そうせがんでも許してくれない。ぐりぐりと膨らみをつよく潰して、ピュッとまた途切れがちに白濁液が腹を濡らす。もう出ないのに、最後の一滴まで搾り取られる。 「なかでもイッてる」 「んあっ、や、やだ、やだやだ…あっあっ、うっ」  か細い、泣き崩れてしまうような声が咽喉の奥から洩れた。それでも許してくれず、指は奥深くまで愛撫を与える。

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