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第36話

優! 俺は駆け寄り優の腕を掴み 想いっきり抱き締めた 腕の中にいる優は  「びっくりした!でも 嬉しい」 優の顔を覗き込み 「良かった!目腫れてない」 「あれから少し冷やしたから」 俺を見つめる瞳が可愛いくて そっとキスをした 唇を離すと 「もっとしたい もっとして」 俺は角度を変え何度も何度も 優の唇を求めた 少しずつ落ち着いてきた俺たちは 手を繋き腰を下ろした 「圭吾 昨日はごめん」 「謝まらないで 誰も悪くないんだ なんか優が余り男前だから甘えてぇって…だから頑張ってくれたでしょう」 「俺は…圭吾に触れたくて 触れたくて 甘えて欲しくて  可愛い顔した圭吾を 抱き締めたかった  でも何も知らないことに 凄く焦っていたんだ 情報は簡単に手に入って真似はできるけれど… きっと昨日の事は先走っている俺に気づかせる大切なきっかけだった気がする 起きてくる現実や一喜一憂する心をどう処理したらいいのか この焦りや悔しさを考えろってね 判っていたけど 時間に嫉妬なんて嫌 積み重ねの時間が足りない から上手く行かないとか 理解出来ないとか でも やっぱり必要なんだね お互いを知り 確かめ合う そして自然に当たり前のように 横にいるには だからもっとふたりでいようね」 「優…来て」 繋いでる手を離し 両手を差し出した 黙って胸に顔埋めてくれる優  「嫌じゃない?こうされるの?」 「うん…嫌な訳ないよ圭吾だもの」 「一緒にいよう いや 一緒いる」

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