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第73話

砂川はそれぞれの練習の見学し スケッチし構図を考え また見学しの繰り返し あの時見せて貰ったスケッチより大分イメージは変わってきたと話してくれた 彼奴らの熱量を感じ 創作意欲も掻き立てられたらしい 俺の描き方も変わったから楽しみにしてと言われ ざわざわ感半端ない 六月に入り気がつくと雨の日が多くなってきた やっぱり梅雨だよな ~鬱陶しさ満載だわ でも今日は砂川と帰れると思うだけで気持ち弾むなぁ 「先帰るから 優にも言っておいて~」 「お~お疲れ~言っときます!」 奴らが教室を出て暫くすると 「ごめん 遅くなって また雨降ってきたよ 傘持ってる?二人は?俺らが最後?」 「お~最後」 立て続けに話され唖然としている 俺を抱き締めして 「可愛いよ~その顔」 「俺 持ってない」 「えっ?あぁ傘ね俺持ってるから 大丈夫だよ 一緒に入ろ!」 相合い傘だよ!幸せ! 「優!相合い傘だ~」 「ばーかもっとこっちに来てよ  濡れるよ それと圭吾傘持ってよ その方が楽だもん」 そう言われ傘を受け取ると 傘を持つ腕をムギユと掴んでくる砂川は少し照れていたけど でもそれは俺たちにとって 自然な流れ 目と目が合い そして当たり前のように キスをした

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