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第75話
二階の待合室に入ると矢沢の母と妹の薫ちゃんが座っていた
俺たちは砂川を紹介するため
声をかけようとすると
薫ちゃんが走りよってきた
「圭ちゃん!圭ちゃん!お兄ちゃんがおにちゃんが…」泣き出してしまった
「薫 圭ちゃんに迷惑だからね」
俺は黙って首を振り
「大丈夫ですから 薫ちゃん驚いたね 心配だね でも今先生達が頑張ってるからね」
座らせて背中を擦っていた
富永が砂川を紹介した
「砂川優です 矢沢くんに仲良くして貰っています
何か出来ることがあったら何でも言ってくだい 僕たちにくれぐれもお気遣いなくお願いします」
「薫ちゃんですね 富永と砂川です よろしくね」
「…ママ ママここ居たくないよ
帰りたい…帰りたい!」
「薫ちゃん大丈夫だからね
新ちゃん今手術だから
もちょっと頑張って」
俺の顔見ながらイヤイヤする
「薫 お兄ちゃんが居てほしいって…ねっ」
「怖い…怖い…怖い!!!!」
「おばさん 俺らがついてますから
とりあえず帰ってあげて下さい
じゃないとまずいですよ」
「でも…新が…薫お願い頑張って」
「嫌だ!嫌だ!!!!」
「お母さん俺付き添います
何かあったら必ず連絡します
これ俺の携帯番号です
それと一応看護師さんに
家族代理だと伝えおいて頂けると助かります 富永好弥です」
「圭ちゃん…ごめんね
とりあえず落ち着いたら戻ってくるから 富永君よろしくお願いします」
受付に事情を話し矢沢の母と薫ちゃんは帰って行った
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