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第79話
家に入ると母は起きていた
「お帰りなさい
二人ともお疲れ様
お友達は大丈夫?」
「ただいま うん 大丈夫だって
遅くまでごめんね 明日は病院に寄ってから学校行くから
お弁当は要らなからねー
じゃおやすみなさい」
「あっそうなの 判った
寝坊しないようにね
お休み」
自分に腹が立って 同類だよ
あいつみたいにはならないと
決めていたのに
なのにいとも簡単に?
違う!違んだよ
圭吾に出逢ってしまったから
俺は酷い人間だ
あいつより最低だ
「母さんごめんね…ごめんね」
悩む事も苦しむ事もなく
恋に落ちていた
苦しめる事になるって
考えれば判る事だ
でも もう
圭吾なしでは無理なんだ
「ごめんね ごめんね…」
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