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第90話

「圭吾 実は…」 「もう駅だから あそこのベンチで少し休もう」 俺たちは暗がりにあるベンチに腰を下ろした 「ふう~流石に疲れた~あっ自販機がある!」 「俺買ってくる 何飲む?」 「水で…」 「はい」 「サンキュー」 渡された水を飲み 一息ついていると 「いいかな?話しても」 頷く俺を確認して話し始めた 「俺の父親 あいつは バイなんだよ」 「バイってどっちも大丈夫なんだよね」 「まぁそうだそうだ あいつに言わせると…」 「事件と言って良いか判らないけど 俺と母親にとってはこれまでの生活がひっくり返るような ううん ひっくり返ったよ あれは正に悲劇だった」

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