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第91話
今でも何で家に戻ったかって後悔する時があるんだ
小五の夏休み
俺と母親は近郊に住む母親の実家で
夏休みを過ごすのが定番で 父親も週末には来てくれてそれなりに楽しかった
父親大好きだったから
あっ母親は妊娠四か月でもうそろそろ安定期?入る頃だっらしい
ある日宿題をするのにどうしても見たかった参考書を取りに帰りたいと駄々を捏ねて…
仕方ないって母親と散歩がてら家に向かったんだ
平日の昼頃だから父親もいない
訳だよ…
鍵開けて俺は二階へ
母親はキッチンへ
上がっ行く途中から聞いたこと無い声?いや何だか判らない音?が
奥の両親の部屋から聞こえてくるんだ
扉は開いていた…
当然行ってみた…
そこには父親が知らない男と裸で抱き合っていた
動けなかった 声も出なかった
でも見ちゃいけなかったのは
理解した
急いで下に降りて
帰ろ帰ろ帰ろって泣いた
母親は二階に駆け上がっていったよ…
そして見たわけだ
あいつは母親を引き留めたらしいが 階段の傍で揉めてるうち
母親は足を滑らせ落ちてきた
俺の足元に
そしてお腹を強く打って母親は流産したんだ
暫くは別居した
でも どうしてか 高校に入った頃から週二ぐらいで帰ってくるんだ
あいつも 母親も
何も話してくれない
でも…聞く勇気も無い
ヘタレだよな
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