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第110話
俺たちは片付けを終え部屋に戻った
「優 これからもよろしく」
「圭吾 こちら…こ…ウン~」
キスだけキスだけキスだけ
判ってる…
でもだんだん激しくなるくちづけ
「好きだ好きだ好きだ優!」
「俺もだよ…圭吾~可愛くて堪らない…」
ベッドに寄りかかり座る砂川の胸にしがみ付く俺の髪を撫でながら
「圭吾 突然なんだけど
母親が七月からシンガポールに転勤になる」
「えっ!優も行くの!嫌だ
行かせない!」
「行かないよ 圭吾と離れるわけないだろう?」
「詳しい事は明日新たちと一緒に聞いて ただ 夏休みから圭吾と家で暮らしたい どうしても どんなことがあっても
だから 圭吾も真剣に考えて欲しい」
「……判った 考える…」
「圭吾?有難う」
俺をのぞき込包む砂川の眼差しと
腕の中は優しくて温かい
口づけは柔らかく甘いんだ
歯磨きのあとだからミント味だね
舌を絡めて静かに溢れるふたりの雫を吸い続ける
「圭吾 俺たちはこれでひとつだよ お前の体に俺の唾液を注ぎ込んでるんだよ 興奮するよ」
俺は砂川の首に絡みつき
砂川の熱を感じようと体を擦り寄せる
細い指が優しく唇を開かせる
柔らかくうごめく指に犯されながらその指を胸に欲しいと呟く
優しく寝かされその指が胸に絡まり遊び始める
もっともっと欲しい
体が少し強張り震える
一瞬疼き呼吸が激しくなる
露わになった俺らの熱を果てるまで互いに貪る
そして体液が互いの体に流れ込み
またひとつになれた事に
欲情してしまうんだ
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