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第113話
「優 話せるか?」
俺は砂川の傍に寄り添い
見つめた
頷く砂川は
淡々と親たちの事を話し始めた
言葉が出ない 安易な言葉なんて
何の意味も無い
俺は砂川の肩を抱いた
傷つき苦しんできた砂川
大人はどうだ?
砂川の知らないとこで
了解済み
自分たちはオッケー
だから砂川もオッケーでしょうか?
昔の話しか?
唯一信じて疑わなかった母親にも
裏切られたと思わずにはいられない事実を突きつけられ
富永が泣き崩れた
「また…また…優が我慢するの?
そんなの許せない!
父親とその恋人と三人で暮らせ?
できるわけない
お母さんは…それが良いって…
判らないよ」
「保護者ってさ何なんだよな
成人した大人ってだけか?
責任は?そいつらの責任は?
優は未成年だから翻弄されても我慢か?」
矢沢が怒りを吐き捨てる
砂川が震えながら泣くのを我慢している
あんなに泣き虫なのに
「優 おいで 泣いていいんだよ」
縋り付いて泣き出した砂川
「怖いんだよ…俺…
まともな神経ではいられない」
「優 俺はお前の家に住む
そして守る 誰が反対しても
住む!」
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