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第114話
「優?もっと俺を頼ってね
優のためなら何でもできるよ 俺」
砂川を腕の中に包み込み囁いた
「圭吾 嬉しいヨ…ただ 悔しの 泣きたくない…負けた気がするんだ」
何度も目を擦りながら呟いた
「優?いいんだよ 泣く事は
嫌な事を流してくれる
そして自分は悲しいんだ
辛いんだ 寂しいんだって
ちゃんと感じる心があるんだって
だから我慢しないよ ね
家のじいちゃんがいつも言ってくれるんだよ 泣け泣けって」
「だから好弥は泣き虫なんだな」
矢沢は富永の背中をヨシヨシしながら笑った
富永の言葉はなんか癒しを感じる
俺たち二人も思わず笑ってしまった
「ああぁ喉渇いた~優自販機行かない?」
「うん 圭吾もいる?あっ水?」
頷く俺を見て笑う砂川は本当に可愛くて堪らん
「新は甘いのね」
「お~よろしく」
暫し黙っていた矢沢が
「優もなかなか辛かったな
驚いた…」
「健気だよな 俺は守るぞ!」
頷く矢沢に肩を叩かれ
「俺らも力になるから」
「有難う!優喜ぶよ」
「なぁ話し変わるけど
気悪くするなよ 先輩はどうなん?」
「何?いきなり どんなんって?」
「お お前らって最後までできたの?」
「最後?あっ えっ!ああぁ~まだまだ」
「何で?」
「何でって チャンス?準備?勉強不足?時間?いや~判らん」
「判らん?したくねぇの?」
「ば ばっか!そんな訳ねぇよ
お前らは?どうなってる?」
「俺らは~これから色々だよ」
「キスは?した?」
「…した…」
「ホホホ~」
「俺の親もお前の親も付き合っている奴が男子って知ってるからさ
隠す必要ないのは良いよな」
「確かに 好弥とふたりで一応
昨日話した…」
「何だって?」
「泣かさないように お互い大切にだと
お前は?」
「俺らも昨夜話した…ババァ結構まじに色々言ってた
これから色々起きてくる問題は
男女関係ない 解決していく
お互いの強い気持ちが問われる
大切な相手をどこまで大切できるか
当たり前だけど…当たり前じやぁないよな」
「だな 今目の前にいる大切な奴
俺を大好きだと言って泣いちゃう奴と今を生きるんだ」
「新~格好いいな~」
「いや 好弥にやられてます」
「俺らの恋人たちは以外に男前~」
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