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第119話

矢沢はまだ部活ができないので 部活見学したり 雑用を手伝って富永を待っている いじらしいなぁ 不機嫌そうな顔だが 嫌ならかえってるからな 富永はそりゃ~嬉しそうだ 「じゃ!先に帰るね 優によろしく~新お待たせしました!」 矢沢がチラッと俺を見る そうだよ…その気持ち大事だぞ 軽く頷く矢沢 俺たちも言葉がいらない中! 砂川ごめん 以心伝心しちゃった 矢沢と~ 「今美術室でた~ 早く逢いたいよ~」 俺も!逢いたい!!!! 砂川の鞄を持ち教室を出た 「圭吾!ただいま!」 「お帰り~優 ふたりは先に帰ったよ」 「了解!」 俺たちは当たり前のように手を繋ぐ 噂も出始めてる だからなんだ 好きな奴と繋いでるんだ それだけだ 「絵は進んでる?」 「今は他の人の相談に乗ったり して忙しいかな 夏休みに頑張るよ」 「そっかぁ 頑張れ」 髪にそっとキスすると 砂川は俺を見上げる黙って近くの公園に入って行った 誰もいない公園 遊具に隠れるように抱き合った 貪るくちづけに身悶え 抱き締めあい 見つめあう 互いの熱を欲している事には 触れないままに… ただ抱き締めあい 見つめあう 求め合う事の切なさと苦しさ に焦がれることも 甘美だと知り 時に敢えて欲してしまう 俺たちの欲情

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