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第163話
夕食を終え矢沢と俺で片付けていると
ワチャワチャ組が明日図書館で食べるお弁当を作りたいと言い出して
おにぎりの具とサンドイッチ用のパンを買って来てと頼まれ
しぶしぶ矢沢と買い出しに出かけた
「出かけた~ それで好弥の悩みはなに?」
俺は富永の背中を擦りながら聞いた
「…結論から言うと家の家族にカミングアウトしてないって事なんだよね
言いたくないとかはないよ
本当は一日も早く話したい
でも…どうなるんだろって思うと
怖くて 新との関係も踏みこめなくて 結構考えちゃんだよ
反対されて はい別れます
なんて絶対ないし
下手したら家を
追い出されるかもしれない
そんなことで
新に迷惑かけられないし
なんだかね
せめて今三年生だったら
新と先の話しが出来るけど…
優も困るよね こんな話し」
俺は…恵まれていた
今となっては申し訳ないほど
恵まれている
俺以外の三人はこれから家族との関係性は変わって行く 行かざるえない
たまたま圭吾も矢沢も家族の理解を得られているが
そんなの本当信じられないぐらい
たまたまなんだよね
確か富永の家は代々地主で
富永は跡取りだった
でも矢沢とは話さないと
これって重たい話し?
この先俺たちは一緒に生きていくのか
男同士は難しい…これは表面上の話し
家族にしたら見栄 体裁?
要するに家族が気に入らなければ
男 女なんて関係ないんだよな
先の話しも関係ない
今の話し
今一番大切にしている人の話し
「好弥 先の話しは関係ないよ
今大切に思っている人だって
事を話すんだよ
長く続くかなんて誰にも判らない
でしょ 真剣に新と話して
それを家族に伝える
で 追い出されたり
居づらくなったら
ここにおいで 一緒に住もう!
大丈夫だから 圭吾もこの夏から
この家に住むんだし
とにかく新と話して」
「ありがとう 路頭には迷わなくて済みそうだ まず新とだね 正直に話すよ」
悩む事はいっぱいあるよ
辛いこともいっぱいあるよ
でも楽しい事 嬉しい事だって
沢山あるんだよ
大好き人と
大好き人と
それを感じ会えたら
今はそれでいい
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