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第178話
信也さんがトイレにたった
砂川が素早く動いた
どこか電話している
「因みに聞くけど 誰に電話してる?」
「パパ」
三回目に通じた
どこにいようと今すぐ絶対に帰国してもらうな!馬鹿たれが 言う事が凄まじい
「パパ!今どこ? 成田? 良かった!帰って来て 信也さんに聞いたよ 行かなくて良いよ ね
とにかく帰って来て!お願いだから
信也さんを怒らないで
俺が 息子として許せないんだよ
さっきの電話の時俺も圭吾も傍にいたんだよ! 心配しないわけないでしょ! ママには今から俺が電話するから
帰って来て
信也さんが心労で寝込んだよ!
じゃ切るよ」
「倒れたって言ったら 凄く驚いてた
すぐ帰るってさ よしよし~」
よしよしじゃねぇ 策士砂川
信也さんトイレから戻ってきた
「信也さん パパ成田で捕まえた 今から帰って来るからね 心配ないから
次は母親だな」
俺はトイレ不在中の経緯を話した
目が点になっている信也さんをよそに
光子さんと話してる
「もしもしママ?
今忙しいか~ じゃあこれだけ
パパと離婚しろよ!
やぶから棒?まあまあ いやいや~
落ち着いてよ~判ってるでしょ?
怒鳴ったって仕方ないよ
離婚よろしくねっ
あっそれとパパはそっちには行けないから
何故?行かせる訳ないでしょ
だいたいなんで呼んだんだよ
何の用があったの?
大抵は電話やラインやメール
ズームで済むでしょ!
呼びつけるにはそれだけ重大な用があったんでしょ?
俺で良ければ代わりに行こうか?
相談乗るから
パパより頼りになるよ俺
まっそう言う事だからね
パパは行くと言ったけど
仕事が忙しいんだよ
仕事して貰わないと
お金がさぁ
でしょ!
じゃ追々話ししよう 俺とね
仕事頑張って!」
砂川はふ~と溜息をついた
親子と言えど出来ればこんなこと
言いたくないだろ
何とも厄介だ
「光子さんの反応は?」
信也さんが真っ青になっている
「怒っていたかな それはそれで良いよ 話し早いし」
優弥さんから俺に電話?
「はい!はい!優に変わりますか?
ハァ 今光子さんには電話してました 結構上から目線の話し方で
怒っていたらしいです
まあ帰って来ると思います
それがこちらの狙いですから
はい 信也さんですか?変わります」
「優弥~何でって今までの経緯話しをしてそれからお前が受けてきた諸々を話したよ
でっ トイレに行って帰って来たら急転直下…だよ 寝込んだ?
息子の妄想だよ まっ落ち着いて
気をつけ帰って来い」
砂川に電話だ
「ママ?何?如何したの 泣いてさ
ああ驚いたのか~まあね でもさ
これはチャンスでしょ? 何時までも
パパにしがみついて 仕返しまがいな事したって そんなやり方で繋がっていたってママ情けないでしょ
俺は大丈夫だからね ママも新しい人生はじめてよ 新天地シンガポールでさ
そしてパパも信也さんと新しい人生はじめさせてあげて 俺は二人が笑顔で
居てほしいよ どんな形になっても
俺のママは光子さんでパパは優弥さんだからね ふたりとも大好きだから!
うんうん 待ってるから お休み~」
子供の力って凄い
いや~
砂川が凄え!のか?
大人頑張ってくださいねっ!
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