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第181話
「ただいま」
疲れ果てた俺は呟きながら
リビングに入ると
信也が抱き付いてきた
「お帰り…お疲れ様」
安心したのか
力が抜けてしまい
信也に体を預けた
抱きかかえられソファに座ると
「とにかくシンガポールに行かなくて良かったよ」
「うん やっぱりもう 信也とは一日も離れられない よく判ったよ
そして光子にはもう触れられたくない
事も再確認出来たよ」
信也はしっかり抱き締めてくれた
「今度は優助けられた
光子さんにもある意味引導渡してたし
突き放したあと優しさで包む
親子の絆は確実に深まったよ
逞しいなぁ優は
次は俺たちと光子さんだ
しっかり話し合いしような
そして俺たちも将来のこときちんと話さなくちゃな
光子さんは近いうちに休みとって帰ってくるらしいから まずはそこからだ」
「判った明日から全力で頑張るから
今日は優たちはとお祭り行きたい!」
「まったく 可愛いくて困るよ
今ラインするから着替えて来いよ」
「う~ん このままでいい」
タクシーに乗り会場の近くまで行った
「え~と噴水のある場所は…」
「お帰りなさい!」
四人の大きな声が後から響く
「ただいま! 今日は色々有がとう!」
俺は優の頭をワシャワシャしながら微笑んだ
「食べ物かってありますから
あのベンチで食べてください!
飲み物もここにあるし…」
「あの…パパ…好弥とリンゴ飴買ってきて良い? 圭吾たちは?」
「俺たちは射的に行きたい!」
信也が笑いながらお小遣いを四人に渡して手を振った
頷く俺に優が耳打ちした
「お帰りなさい!大好きだよ」
「パパも大好きだよ 早く飴買って来なさいパパにも少しも頂戴ね」
コクンと頷くと
リンゴ飴組と射的組に分かれ
アッと言う間に姿は消えた
「何んかさ お祭りなんてん
ン十年ぶりだよな
アア~気持ち良い これで信也に
キスして貰えたら言う事無し…」
やっぱり言って見るもんだ
優しく唇を塞ぎながら
「欲情オヤジ」
聞こえてるよ
でも…欲しいものは欲しいんだよ
有難う!信也
眠い~
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