182 / 212

第184話

信也さんは家で待機 優弥さんが支払い等済ませ ロビーで待っていてくれた 「好弥くん大丈夫か?クスリ貰っているからね 本当辛かった辛かった」 「有難うございます すみませんでした」 矢沢から離れて深々とお辞儀したのはいいがそのまま蹌踉けてしまい慌て矢沢が抱き止めた 「好弥!お願いだから 離れるなよ! 車椅子借りてくる」 「新!新の肩がいいの 駄目?」 「駄目なわけ無いだろ 俺の好弥だぞ」 泣きそうになりながら 支えている矢沢に 俺は胸が詰まった 矢沢は汚物まみれになりながら 富永を抱きしめていたとき 何を感じ何を思っていたのか? 人一倍周りを気にしていて 気持ちの変化を表に出さない 矢沢が今富永だけを見ている いやだけしか目に入っていない 誠実な奴だから 富永に対しての一途な想いが溢れ 富永も安心してそれに 身を委ねている すげぇなぁ 美しいなぁ これはもう愛だよ 愛し合っているんだ 「綺麗なふたりだね」 砂川が指を絡ませながら 呟いた 「ああ この合宿は 大成功だったな」 「うん それぞれにとって 好きの覚悟が自然と決まった そんな合宿だっね」 家に帰ると信也さんが 矢沢と富永に一緒にお風呂に入るよう促した 「好弥くんお風呂入れそう?」 頷く富永を見て 「付き添うついでに新くんも綺麗にあらってきなさいね 着替えは出してあるから」 矢沢は一礼して富永を抱き抱え リビングを出て行っ 俺は砂川を抱き寄せ 二人を見送った

ともだちにシェアしよう!