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第195話
「好弥!何処!好弥!」
矢沢は物凄勢いで
砂川の家に入っていった
「新!新!ああごめんね ごめんね」
矢沢に抱きかかえられ
泣きじゃくる富永
「よかった!大丈夫じゃないよな
俺こそ悪かった 守るなんて
調子良いこと言って
お前がビンタされているのに
止めに入れなかった 許してくれ」
「なんでそんなこと もう離れない
絶対離れない」
「ふたりとも 大切な人は今目の前にいるんだから」
砂川はふたりを抱き締めて
落ち着かせている
親父はとりあえず家に帰り
身軽に動けるように
待機してもらう事にした
親父を見送り
家に入ると信也さんに呼ばれた
「兎に角夕飯作っであるから
おにぎりと味噌汁唐揚げ
適当に食べなさいね
優弥にも連絡してあるから
なるべく早く帰るって」
「はい 有難うございます!」
二階に上がった三人が降りてきた
「信也さんがおにぎりと味噌汁唐揚げあるから食べるようにって」
俺たちはリビングに入り
夕飯を食べる事にした
「今好弥の家は大騒ぎになっているよ 家に連絡が来るのも時間の問題だよね ところで 好弥の味方はいないの?」
「ばーちゃんと従兄弟の順は味方だな
でも父親たちには はむかえない」
「幾つか案はあるんだけど
あちらの言い分をまず聞く
誤解もあるよ
きっと
後は親に助けて貰う
家や圭吾の親 後は新の親
子どもへの理解と考え方を話して貰う
とか
なんだか
なんとか討論会みたいな
後は
俺もそうだけど もっと堂々と
為ているべきなんだよね
同性を好きになるって
なにが駄目なんだろ
子供ができない?
道徳的じゃない
見た目?傍目?
毛嫌い
食わず嫌い的な
いやいや
好きになってみて
とは言ってないけれど
想像だけでは判らないかなって」
「親同士のはなしは良いよな
後俺たちの考え方をもう一度冷静に
聞いてもらう 何度でも
これは俺たちの問題だから」
「優 圭吾 有難う!
心強いよ!」
ふたりとも少しだけ
顔が柔らかくなった!
良かった~
俺たちは友達以上だって
もう家族なんだよ
男が男を好きになる
女が女を好きになる
男と女が好きになる
その心は違うのか
色でもついているのか?
俺からしたら
女しか 男しかが
それが判らない
ラベルって必要なのか?
人間それで良くない?
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