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第201話
優弥さんは駆け寄り砂川を抱き締めた
「あなたはなんて事を 自分の息子であっても理不尽に殴るなど
あってはならない」
「お父さん 僕は大丈夫だから」
立ちあがると砂川は
富永を抱き締めながら
「なんでこうなるんでしょうか
人は自分の痛い所には過剰反応して
隠してしまいたいって言う欲求に囚われてしまう 以前の僕がそうでした
父親と母親の異常な関係 そして
父親と信也さんの肉体関係を
見てしまったと言う現実
それは僕にとって過剰反応する
隠したい現実でした
これを消化するにはその時は幼すぎました つい最近まで判ってなかった
違う事を認めるのって辛いんだって
認めて貰うより……断然大変なんだって
俺からしたら父親も母親も余りに
その事に気付いてなかったね
ごめん お父さん!」
優弥さんは笑って頷いている
「だから 富永さんの気持ちが判ります」
簡単には行かないって事
でも……好弥と新は俺と圭吾の事を
話したとき……ふたりは物凄喜んでくれました」
「新と俺は幼馴染みなんですよ
だから話しやすかったかと言うと
そうでもなくて……ただ好弥たちは
俺が優を好きになっている事を判っていてくれていて応援してくれました
好弥は俺たちが上手く行ったこと
泣いて喜んでくれました
こんな良い奴らいますか?
だから今度は俺たちで支えます
ふたりは真面目お互いを考え
思いやっています
だからこそ 隠したくない
隠せば好弥が苦しく辛いんだって言って矢沢はご挨拶に伺ったんです
もう一度新の話しを聞いて下さい」
富永 矢沢そして俺と砂川は
土下座をした
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