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第202話
大人たちは愕然としていた
親父が
「君たち顔を上げなさい
思春期から大人になっていく時のかなでだいたいの人たちが通る道です
人を好きになる 大切に想う
触れあいたいと想う
もうそろそろ性別への差別は
止めていかないと……
セックスだって性別に関係なく傷つく事は起こるわけです
ルールは何にでもあります
大人はそもっとそれを知るべきだ
そして我々は息子と話すべきだと
考えますが
前に家内がお話し為たと思いますか
男子校 女子校 やはりそこでは必然的に身近にいる友が恋愛対象になり易い 当たり前でしょう
もし私が男子校だったら 男子を好きになっていたと思いますよ
子供たちは不埒でも不潔でもありません 彼らほど直向きな子供たちはいません
われわれが捻くれている
ただそれだけですよ
今はより良い学校生活を送るために
彼らと話して行く
傷つけられて泣くときもあるでしょう
その時力になりたいじゃないですか!
その先の人生なんて誰に判ります?
男女の恋愛だってわからんですよ
まずは認めるところから始めませんか?」
富永が泣き出した
俺たちは肩を抱き合いながら
四人で子供のように泣いた
「好きだ!好きだ!おまえが好きだ!」
と連呼しながら
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