206 / 212

第206話

 文化祭は十月の第三週の土日なんたが、なかなか各クラスの出し物が決まらない。模擬店、色物的もの…… 例えば、メイド喫茶、お化け屋敷 女装喫茶、どこのクラスも大差ない。 後ホストクラブ…… うちの文化祭委員はやる気満々なんだよ。学年で被らないように話し合った結果、なんとうちは女装喫茶になった!と大喜びしている。訳わかんないわ。 面倒くさ!笑いを取る、本気で美を競うの二つの路線で行くと宣言してやがる。 まず、立候補、なんているわけないし。次は推薦をする事になった。 何と!優と富永がすぐに決まってしまった。 後は、作れば行けそうなのが四人ほど選ばれた。 お笑い系は、矢沢と俺と運動部のごつい系が五人選ばれた。 断る権利はないのだ!畜生~  優この時、美術の方でいなかったかもだから、結果を聞かされて泣いて怒った! 富永が宥め賺してやっと落ち着いてくれたが 「何でそんなに嫌なの?」 「好弥さぁ女顔って言われて嫌な思いしたことないでしょ?俺は高校にはいるまで、言われ続けていたんだ! お姫様だとか、お嬢様とか、どんなに悔しかったか……」 「羨ましい!俺は顔がこんななのに デカくてさ、キモいって言われてたよ。どうせなら、可愛い方が良いよ」 「いやいや、俺らは笑いもんだよ!引き立て役ですから」 「ほんとだよ!やるなら綺麗系が良いよね~新?」 「だけど、俺らの彼女が綺麗系に選ばれたのは、とてつもなく鼻が高い!」 俺も大袈裟に頷く。 お~機嫌直った!ワチャワチャ組が色めき立つ。 「聞いた!?彼女だって!」  「聞いた!嬉しい!彼女だって!」 なんだ?どうした? 当たり前のこと言ったまでだぞ。 まじやばい……飛び込んで来たっ~ 痛い痛い!倒れて頭打ったの! 矢沢は辛うじて立っているが…… 抱きかかえている腕が震えてる! 「あら嫌だ……うちの彼氏たちって か弱いわねえ~」 「本当だわ~鍛えなくちゃねっ」 ざけんなよ! お前たち男だっぅの!

ともだちにシェアしよう!