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第207話

 砂川の絵が出来上がった。 構図もだいぶ変えていた。 秋の彩りの中から校舎が浮かび上がる そして、学生達が三々五々歩いている その中に俺たち四人も、 富永と砂川は声が聞こえそうなぐらいのワチャワチャ感を醸したし、嬉しそうに俺達を見ている。 俺と矢沢は、何か雑誌でも見ているようだ。エロ本か?俺がやけに喜んでいる。 なんの変哲も無い男子校の下校風景だが、堪らなく学校が好きだと思わせてくれた。  高校時代が確かにあったなあ…… 嫌な事も沢山あった でも、高校時代を知らない人達も いるんだと思うと、ぶさまでもここに居合わせた事は必然なんだよなあって 思える絵なんだよ! 俺達の十七才はここにある 息づく思いは、それぞれ違いはあるけど 今、呼吸為ていることは、当たり前じゃ無いと思える。 あいつは、まじすげぇと思う。

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