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第208話
俺たち四人は、かなり落ちついてきた。
それぞれ目指す方向も決まって来たし、それを頑張る事で大切な人と生きていく事が守られると確信出来たから。
最近、砂川は抱かれたいと言い始めているんだ。
俺たちは、あまりそう言う事をしっかり決めてはいなかった。
何故なら、その時々気持ち良い方で愛し合いたいと日頃から話していたからだ。
悩んでいるなら、話し合おうと言った矢先のこどだった。
行為が終わり……マッタリとしていた
筈だった。
突然砂川が俺の胸に顔を埋め泣き出したのだ。
「如何したの?どこか痛いのか?」
号泣だ!なんだ!
「俺ね……抱かれている方が感じるんだよ……ごめんね。圭吾に抱かれたいんだ」
「そう……今も泣くほど辛かったの?」
「違うの、判んないけど、圭吾を思うと
甘えたくて……抱き締めて欲しくて」
いやいや、泣くほどのことか?
確かに泣く理由は判らないでも無い。
ただ流れ的に行くと、砂川がそう言う雰囲気を醸し出すからそうなる訳で。
結果的に七対三の割合で砂川が攻めになっているのだ。
「俺は……か」
おい!聞けよ!
「圭吾が……攻めが嫌なのに、これからはして欲しいって……言ったら……俺たちは終わりになるの?」
なんだこいつ?まじむかつく。
「何?終わりになるって?そんなことで終わるのかよ!ざけんなよ!」
俺はあまりの言葉に、思わず砂川の胸ぐらを摑んでいた。
砂川は何も言わずされるがままだ。
「おい!何とか言えよ!!」
俺は悔しかった。
そんなこと話し合ったら、解決するはずのことだ。
なのに……なのに……何を言い出すかと思えば……
そんなことが不安なるのか?
俺はそんなチンケナ男だと思われていたのか?
畜生!
「もう良いよ……優が終わると思うなら終わらせよ……」
「違う!違うんだって!嫌だ!嫌だ!愛しているのに……圭吾!」
「良く言うよ、相談とかじゃねえよ!お前が言ったことは!俺たちの心をより深く繋がる為にしている行為だよ!
素直に、正直に話してくれたらよかったのに。
なんで、関係が終わる話しになるんだよ……意味わかんねえよ」
泣きたくなった。
俺が泣きたいわ!
「ちょっと!如何したの?ねえ!開けて!」
富永がドアをけ破る勢いで叫んでいる。
「おい!開けろ!壊すぞ」
矢沢は遣りかねない。
俺は仕方なくドアを開けると
「お前ら、いい加減にしろよ!飯だって言っても降りてこないし!ラインしても、電話しても無視為やがって。
兎に角降りてこい!優弥さんたち待たせてるんだぞ!」
「うるせー!」
俺は怒りに震えながら下に降りていった。
「優?如何したの?新、先に行って、お願い。」
矢島は黙って頷き部屋を出て行った。
「好弥~好弥~俺達終わっちゃうよ~駄目になっちゃうよ~」
富永は黙って砂川を抱き締め
「大丈夫だから、大丈夫だからね。
あの事話したの?」
頷くのがやっとの砂川の背中を優しく
擦る富永の手も震えていた。
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